キャレたんと一緒にインフラ講座
01 インフラ x ゲーム

ゲームがリアル世界を救う!
実は真面目なその理由

ゲームがインフラ保守を支える!

「バスケインフラリーグ」という参加型競技(ゲーム)が開催されているのはご存知ですか?スマートフォンを使ってバスケットゴールの写真を投稿する市民参加型の位置情報ゲームです。なぜ、このゲームのような取り組みを行っているのでしょうか?そこには現在のインフラの状況を取り巻く深刻な事情があるのです。

高度成長時代に構築したインフラが、人口減少時代のいま、老朽化を迎えている

日本の高度成長期に建設された道路や橋梁は、現在、老朽化が進行し、修繕費や更新費も増加しています。しかし、人口減少とそれに伴う税収の減少が課題となっており、こうした修繕費用を捻出することが難しくなっています。
このため、一部のインフラは、安全性や耐久性に問題を抱えたまま使用され続けている状況です。安全で快適な生活を続けるためには、これらのインフラを適切に維持するために、必要に応じて修繕や更新を行うことが必要です。
国土交通省は『インフラ長寿命化計画』策定し、メンテナンスの効率化と作業員の安全性向上を推進しています。また、『インフラメンテナンス国民会議』を設立し、産学官民の連携を促進しています。

インフロニアの挑戦: 愛知道路コンセッション株式会社(ARC)

愛知道路コンセッション株式会社が行った交通安全と地域PRイベントの様子
「セーフティ・サンタラン in 知多半島」

このような課題を解決する方法として、コンセッション事業が注目されています。コンセッション事業とは、公共施設の所有権を公共機関に残したまま、運営権を民間事業者に委託することで、民間事業者の効率的な運営ノウハウや技術を活用して維持管理する方式のことを言います。また、自由度の高いサービスを提供することで利用者の満足度も向上します。

その例として紹介する「愛知道路コンセッション株式会社」(ARC)は、愛知県道路公社が所有する有料道路の8路線、総延長72.5kmの維持管理・運営業務を行っています。
ARCは、道路資産のデータベース化により、効率的な工事計画の立案や予算管理を実現し、修繕工事のコスト削減や安全管理の強化をしています。
また、地域活性化にも力を入れており、知多半島を訪れる観光客を増やすためのイベントや、パーキングエリアのリニューアルを通じて、地域の魅力を発信しています。
こうした取り組みにより、ARCは安定した運営と持続可能なインフラの維持管理の新たなモデルを提供し、日本のインフラ維持管理の新たな取組みに挑戦しているのです。

みんなもインフラのルールチェンジに参加しよう!

これは、インフラ事業におけるルールチェンジであり、インフラのあり方に対する市民参加の一形態であると言えます。
最初にご紹介した「バスケインフラリーグ」は、「バスケとインフラを起点とした地方創生」への足がかりとして位置づけ、今後、市民参加とデジタルを活用した取り組みを通じてインフラの老朽化など地域ごとの社会課題をいち早く発見、解決するとともに地域の魅力を高める仕組みの構築を目指しています。ぜひ、皆さんも一緒に、生活に欠かせないインフラが安全に使い続けられるよう参加したり、アイデアを出したりしてみませんか。